Qubicステーブルコインの提案 - パート5：エコシステムの成長

「Qubicステーブルコインの提案」シリーズの最終回では、Qubicベースのステーブルコインを立ち上げるために、Qubic Computor-Controlled Fund（CCF）からの資金調達要請の概要を説明します。

誰が資金を求めているのか？

私たちはValisで、ソフトウェア、スマートコントラクト、トークン、およびサービスを通じてQubicコミュニティをサポートする専門グループです。私たちの使命は、世界中で無料かつ即時の支払いを可能にするソリューションを開発することです。実行力と透明性が私たちの基盤です。Valisチームは、正社員、契約社員、ボランティアで構成されています。

Valisは2024年6月に、Qubicコミュニティでよく知られた貢献者であるQsilverと、SaaSおよび消費者向けスタートアップやスケールアップでの20年以上のプロダクトマネジメント経験を持つSpelunkerによって共同設立されました。両創業者は、ブートストラップ企業や資金調達を受けた企業の運営経験があります。QsilverとSpelunkerは、Qubic技術とプロダクト開発における深い専門知識を組み合わせて、Valisを前進させています。

資金は何に使われるのか？

Valisは、欧州連合市場向けのQubicベースの単一チェーンステーブルコインの最小機能製品（MVP）を構築するために資金を使用します。このMVPには、EUの初期採用者の主要なニーズを満たすために必要不可欠な機能のみが含まれます。中央集権型取引所との統合、マーケティングローンチ、米国やアジアへの展開は、この資金調達要請には含まれていません。

あなたのUSPは何か？

私たちのユニークセリングプロポジション（USP）は、即時確定性と手数料なしの取引を実現するQubicと、Valisネットワークの優れたスケーラビリティを組み合わせて、比類のないスループットを提供します。これらのネットワーク依存の要因により、市場の他のステーブルコインやチェンが持ち得ない競争優位性を提供します。

流動性とリーチに焦点を当てたマルチチェーンステーブルコインとは異なり、私たちの単一チェンアプローチは、速度、コスト、スケーラビリティにおいて一貫したユーザーエクスペリエンス（UX）を保証します。これにより、私たちのステーブルコインは、高頻度取引や分散型金融など、高性能や一貫したUXを要求するユースケースに特に適しています。詳細については、パート3：最適な選択肢をご覧ください。資金はどのように配分されるのか？</h

資金は、スマートコントラクト（SC）開発、非SC開発、統合、およびコンプライアンスを含む4つの主要な開発分野に配分されます。

スマートコントラクト（SC）の開発

等価値の発行、シームレスな送金、適切な担保返還、公平な利益分配、堅牢な担保管理、運営の透明性、民主的なガバナンスを確保するために、以下の機能グループをスマートコントラクト（SC）を使用して開発する予定です：

1. 発行：担保（例：EUR、USD、USDT、USDC、QU）を受け取り、担保価値と同等のステーブルコイン（例：VEUR、VUSD、VXAU）を発行します。
2. 送金：ロールアップを活用してステーブルコインを他のユーザーに送金し、高いトランザクションスループット、即時決済、ユーザー手数料ゼロを実現します。
3. 償還：ステーブルコインを基礎となる担保と交換し、ステーブルコインのバーンと対応する担保の解放を管理します。
4. 担保管理：ステーブルコインを裏付ける担保を管理し、固定利付資産に分散投資し、ポートフォリオのリバランスを行います。
5. 監査：ステーブルコインの運営を監査し、担保率、発行、償還に関するデータを公開します。
6. ガバナンス：主要なパラメータ（例：担保率、償還手数料）やシステムのアップグレードと改善に関する提案について投票します。

上記の機能グループは、1つまたは複数のSCとして実装される可能性があります。一部の機能は、純粋にSCとしてではなく、バックエンドインフラストラクチャ（例：担保管理）、オラクル、またはSCとオラクルの組み合わせ（例：監査）として開発される可能性があります。すべてのSCは適切に相互に統合されます。

Qubic Coreは使用量（例：ストレージ、CPU使用量）に基づいてSCに課金する予定であるため、すべてのSCにはプロトコルレベルの手数料が発生します。Valisは、すべてのプロトコルレベルの送金手数料を負担する一方で、償還とガバナンスに対しては追加のアプリケーションレベルの手数料を課す予定です。

非スマートコントラクト開発

SC開発に加えて、EUの消費者にステーブルコインを提供するためには、いくつかの非SC構成要素が不可欠です。適切な場合、サードパーティベンダーのソリューションを活用します：

1. 銀行統合：EUベースの銀行とのパートナーシップを確立し、シームレスなフィアット通貨のオンランプとオフランプを可能にします。これには、ユーザーの銀行口座とステーブルコイン保有間のリアルタイム取引を容易にするAPIの開発が含まれます。
2. コンプライアンスインフラストラクチャ：EUの金融規制に準拠するための包括的なコンプライアンスフレームワークを実装します。これには、マネーロンダリング防止（AML）、テロ資金対策（CTF）、顧客確認（KYC）プロトコル、および金融当局への報告メカニズムが含まれます。
3. カスタマーサポートシステム：多言語対応のサポートチーム、ユーザーフレンドリーなインターフェース、機密情報を扱うための安全な通信チャネルを含む、堅牢なカスタマーサポートインフラストラクチャを開発します。
4. ユーザーインターフェース：ウェブとモバイルの両方のプラットフォーム向けにユーザーインターフェースを設計・開発し、ユーザーが簡単にステーブルコイン保有を管理し、取引を実行できるようにします。
5. セキュリティプロトコル：暗号化、二要素認証、不審な活動の継続的なモニタリングを含む、ユーザーデータと資金を保護するためのセキュリティ対策を確立します。

統合

無料で即時の支払いを実現する世界に向けたValisのビジョンは、いくつかのフェーズで構成されており、それぞれが次のステップの足がかりとなります。Valisステーブルコインは私たちの以前の開発を基盤とし、運用開始後は次の開発の基礎となります。したがって、Valisステーブルコインは以下と統合されます：

• Valis Liquidity：私たちの流動性プールは、すべてのValisステーブルコインに流動性を提供します。9月下旬までにテストネット上にVLIQUID スマートコントラクトをデプロイする予定です。QWALLETトークンは、Valis Liquidityにおいて二次通貨として機能します。このマイルストーンが達成されれば、QWALLETの大幅な価値上昇が期待されます。
• Valis Network：数百万の同時Qubicユーザーをサポートできる私たちのミドルウェアは、データ圧縮、アドレスエンコーディング、署名の集約、動的スケーリングの強化を組み込み、Qubicを1対1の送金シナリオで最速のチェーンにし、私たちのステーブルコインを支えるのに理想的なものにします。

コンプライアンス

二重の法人設立戦略を通じて、プライバシーを最大化しながら完全な規制遵守を確保します。主要な法人設立は、プライバシー重視の管轄区域で行われ、持株会社が知的財産権と運営事業体の株式を所有し、創業者のアイデンティティを保護しつつ、現地の法的義務を満たします。

当初の焦点はEU市場にあるため、運営事業体は、エストニアやリトアニアなどの暗号資産/フィンテックにフレンドリーなEU管轄区域に設立されます。この事業体は、欧州市場内のすべての顧客対応活動、規制当局とのやり取り、日々の運営を担当します。EUでコンプライアンスを満たした金融サービスを提供するために、電子マネー機関（EMI）ライセンスの取得を計画しています。発行された資金はQubicのDRT上のトークンとして記録されます。暗号資産の市場（MiCA）規制の進展を注意深く監視し、それに応じて戦略を調整します。

将来の米国への展開に向けて、デラウェア州などのビジネスフレンドリーな州に第三の事業体を設立し、マネートランスミッターライセンス（MTL）の取得を含む米国の規制に確実に準拠する計画です。

さらに、堅牢なAML/CTF対策を実施し、データ保護法および電子記録・署名法を遵守し、すべての管轄区域にわたって運用の回復力を維持します。この構造により、プライバシーを保護し、コンプライアンスを最適化し、主要市場全体で効率的に運営を管理することが可能になります。

見積もりコストはいくらですか？

人件費

私たちは、自分の仕事と同じ志を持つ仲間との協力に誇りを持つプロフェッショナルで構成される高性能チームの構築を目指しています。これらの初期の重要な採用は、Valisの文化の基礎を築くことになります。採用の失敗を最小限に抑えるよう努めていますが、万が一の場合には迅速に対処する準備があります。私たちの「採用には慎重、解雇は迅速」というアプローチは過去の事業で効果を発揮しており、初期の開発努力を多少遅らせる可能性はありますが、短期的な利益よりも長期的な成功を優先します。この慎重な採用戦略により、タイムラインに変動が生じ、最初の数ヶ月間の正確な資金消費率を予測するのが難しくなります。トップタレントの発掘と交渉のペースが直接的に支出に影響を与えることになります。注目すべきは、Qsilverが最も高額な人件費となる可能性がありましたが、彼は給与を受け取らないことを選択し、最高の専門家を惹きつけるためにより多くのリソースを割り当てることを可能にしました。

コンプライアンスコスト

エストニアを事業体の管轄区域として使用した場合の参考コンプライアンスコスト：

• 初期資本要件（38万ドル）：EUの電子マネー指令（2009/110/EC）は、EU全域でEMIの資本要件を標準化しており、エストニアを含め、最低資本要件は35万ユーロ（38万ドル）に設定されています。
• スタッフコスト（15万ドル）：エストニアの規制で要求される主要人員（コンプライアンス責任者やマネーロンダリング報告責任者（MLRO）など）の給与。
• 技術とインフラ（10万ドル）：ITシステム、AML/KYCソフトウェア、安全な取引インフラのコスト。
• 法務およびコンサルティング料（7.5万ドル）：法務サービス、コンプライアンスに関するコンサルティング、申請準備のコスト。
• オフィスセットアップコスト（1.5万ドル）：エストニアでの登録事務所の設置費用（家賃や光熱費を含む）。
• 雑費（1.5万ドル）：トレーニング、認証、その他の規制要件のための追加費用。
• 継続的なコンプライアンスと規制報告（年間3万ドル）：継続的な監査、規制報告、コンプライアンス維持のコスト。
• 保険（年間8000ドル）：エストニアの規制で要求される専門職賠償責任保険。
• 規制申請料（3500ドル）：エストニア金融監督庁（EFSA）がEMIライセンス申請の処理に課す手数料。

コスト概要

以下は、見積もりの人件費とコンプライアンスコストの概要です。

主要なマイルストーンはいつ達成されますか？

主要なマイルストーンについて、以下のタイムラインを予想しています：

いくらの資金を要求していますか？

ValisとCCFのニーズを満たすため、前払いと継続的な支払いの組み合わせで配布される、総額900億QUの資金を要求しています。

Valisにとって、トップタレントの確保は不可欠です。私たちの経験上、高いキャリバーの個人を惹きつけるには、少なくとも1年間の給与を保証することがほぼ不可能です。そのため、200億QU（要求された総資金の22%）の前払いを要求しています。これにより、プロダクトマネージャー、プロダクトデザイナー、ソフトウェアエンジニアからなる単一のコアプロダクトトライアドを組織するコストをカバーします。

CCFについては、私たちの実行能力を検証し、QUの換金を時間をかけて分散させるために、支払いを分散することの重要性を認識しています。35週間にわたる週間発行量の2%の要求は、コンピューターに既に求められている大きな犠牲（週間発行量の約1/3）に追加されるものではないことに注意してください：

• コンピューターの実際の収益の15%を寄付に。
• 週間発行量の10%をQearnに。
• 週間発行量の8%をCCFに ← 私たちの2%の要求はここに含まれています。

私たちの提案は、既存の割り当ての範囲内に収まるように設計されており、コンピューターに追加の負担をかけないことを保証します。

過去にいくら受け取りましたか？

Valisでは、透明性と実行が私たちの核となる価値です。

私たちのすべてのアドレスは公開されており、Qsilverのみがプライベートキーにアクセスできます。

これまでに1300億QUを受け取りました：

• 寄付からの300億QU、および
• QWALLETとQPOOLの募金活動からの1000億QU。

現在、1040億QUが未使用です：

• VALISアドレスに残っている498億QU、
• QWALLETアドレスに残っている494億QU、および
• 5億QUをUSDT（ERC20）に変換しました。

未使用の1040億QUのうち：

• 500億QUはVLIQUID（旧QPOOL）流動性プールの資金として割り当てられています。
• 540億QUが将来の支出のために利用可能です。

これまでに何を達成しましたか？

これまでに26億QUを使用して、次のことを達成しました：

• 発表：
• Valis Wallet、Qubic非CLIウォレットでQxをサポートする唯一のウォレット。
• Valis Explorer、オーダーブックとトークンバランスをサポートする唯一のQubicエクスプローラー。
• Valis Network、数百万の並行するQubicユーザーをサポートする能力を持つ強力なミドルウェアで、Valis WalletとValis Explorerのバックボーン。
• QWALLET、VLIQUIDで二次的な変化を果たすトークン。
• Valis Re-branding、「Qsilver Project」から「Valis Team」へのリブランディングを行い、新しいウェブサイト、ブログ、X (Twitter)、およびDiscordを立ち上げました。
• 公表：
• 最初のQubic中間ホワイトペーパー。
• Valis流動性仕様。
• 資金調達：
• QWALLETとQPOOLのコミュニティ募金活動。
• 提案：
• QubicベースのステーブルコインCCF提案。
• 貢献：
• Qubicをサポートするための集中取引所の道を開く。
• Qearnの設計を助ける。
• 攻撃ベクトルを発見する。
• まもなく発表：
• VLIQUID（旧QPOOL）をテストネットで。

我々の実績は自らを語っています。Valisへの資金提供を検討している計算者は、透明性と費用対効果に対する我々のコミットメントに自信を持つことができます。私たちは成果を達成し続け、他のチームの一部の費用で例外的な結果を提供し続けます。

なぜ計算者はあなたに資金を提供するべきですか？

Valis提案に対して8か月間で9000億QU（ほぼ1兆週あたりの発行量）を資金提供する代わりに、計算者とマイナーは5つの重要な利益を受け取ります：

1. Qubicに基づく強力なチーム：QsilverとSpelunkerが率いるValisは、供給操作よりも価値創造を優先し、短期的な利益よりも長期的な持続可能なリターンを選び、人工的な供給削減よりも自然な供給削減を重視する、つまり量よりも質を重視する高性能チームを結成します。
2. Qubicエコシステムを拡大する画期的なプロジェクト：ステーブルコイン市場を再定義し、暗号通貨空間でのQubicの地位を高め、スマートコントラクトの実行を通じてQUの自然な燃焼を大幅に増加させる可能性を秘めたQubicベースの単一チェーンステーブルコイン。
3. すべてのシナリオでQubicを最速のチェーンにする強力なソリューション：Qsilverが設計したロールアップベースのソリューションで、1対1の移転シナリオでのQubicのトランザクション毎秒（TxPS）を、現在の410 TxPSから将来のネットワークパラメーターで最大180万TxPSに劇的に増加させます。
4. 実際に機能する市場投入戦略：「超高性能」のポジショニングは、今日実行可能で、高い確実性と広範な市場の魅力を持ち、現在の「AIのための最初のuPoW」のポジショニングとは異なり、小さな投資家を引き付けるが、コンバージョンファネルとフライホイールの勢いを犠牲にしています。
5. SteCoへの戦略的代替案：Valisは、単一の「SteCo Foundation」内にリソースを集中させるリスクを避けることによってオプション性を提供し、エコシステムの柔軟性と回復力を確保しながら、すべてのプレイヤーにパフォーマンスを促します。計算者とマイナーが報酬のために競争する場合、他の人もそうすべきです。

透明性をどのように確保しますか？

Valisでは、透明性が核となる価値です。すでにすべてのアドレスを公開し、寄付と最初の資金調達（QPOOL & QWALLETのクラウドファンディング）の収入透明性レポートを公開しました。

ステーブルコインプロジェクトを進めるにあたり、マネーフローと経費の2つの透明性レポートを追加します。

私たちのすべてのレポートは毎時間自動的に更新され、私たちの財政活動にほぼリアルタイムで透明性を提供します。

さらに、このプロジェクトに資金を確保できた場合は、毎月の進捗レポートを共有し、重要なマイルストーンや開発が発生した場合にはValis Discordでより頻繁に更新を行うことを約束します。

詳細情報はどこで見つけられますか？

「The Case for a Qubic Stablecoin」シリーズを完全に読むことをお勧めします：

1. 第1部: なぜという質問 · 2024年8月5日。
2. 第2部: Qubicのマーケティング · 2024年8月7日。
3. 第3部: 最良の選択肢 · 2024年8月14日。
4. 第4部: 速い、より速く、Qubic · 2024年8月22日。
5. 第5部: エコシステムの成長 · 2024年9月2日。

ウェブサイトをチェックする、Xでフォローする、Valis Discordに参加する、または以下の方法でご連絡ください：

• 公に： Qubic Discordの#valis-xyzチャンネルに投稿します。
• 非公開で： ウェブフォームを使用するか、hello@valis.xyzにメールを送信します。
• 個人的に： Discordで_spelunker_またはsilveragcrvにDMを送信します。

「Qubicステーブルコインの事例」シリーズをお読みください

1. 🇯🇵キュービックステーブルコインの提案 - ト1: なぜの質問
2. 🇯🇵キュービックステーブルコインの提案 - ト2: Qubicのマーケティング
3. 🇯🇵キュービックステーブルコインの提案 - ト3: 最良の選択肢
4. 🇯🇵キュービックステーブルコインの提案 - ト4：速い、より速い、クビック
5. 🇯🇵キュービックステーブルコインの提案 - ト5: エコシステムの成長

最新の情報については、Valis Discordに参加し、Xでフォローし、私たちのブログをブックマークしてください。

このページの内容

• Qubicステーブルコインの提案 - パート5：エコシステムの成長
• 誰が資金を求めているのか？
• 資金は何に使われるのか？
• あなたのUSPは何か？
• スマートコントラクト（SC）の開発
• 非スマートコントラクト開発
• 統合
• コンプライアンス
• 見積もりコストはいくらですか？
• 人件費
• コンプライアンスコスト
• コスト概要
• 主要なマイルストーンはいつ達成されますか？
• 過去にいくら受け取りましたか？
• これまでに何を達成しましたか？
• なぜ計算者はあなたに資金を提供するべきですか？
• 透明性をどのように確保しますか？
• 詳細情報はどこで見つけられますか？
• 「Qubicステーブルコインの事例」シリーズをお読みください